佐々木康裕、32歳。所属チーム「ウォーリアーズ」のエースストライカーであり、日本代表として日の丸も背負う。
彼は人をときめかせる才能を持っている。壁際で彼がドリブルを始めれば、何かが起きそうな予感が漂う。観衆は息をのみ、相手をきりきり舞いにする姿を目の当たりにする。「本当に見えていないのか」そう思わせるほどだ。
そんな佐々木選手がブラインドサッカーと出会ったのは2003年の頃。小学生の時に盲学校の友達と遊びでサッカーをしていたが、それからブラインドサッカーに出会うまではバレーや野球に勤しんでいた。知人に紹介されてからはブラインドサッカー一本だという。もともと好きだったサッカーの楽しさにすっかり魅せられてしまった。
「スタイル的にドリブルが一番得意かな」と自ら話すように、佐々木選手の絶対的な武器はドリブル。ボールも相手も見えない中でのドリブル突破は非常に困難だ。しかし、佐々木選手は細かいボールタッチから次々と相手を置き去りにする。その華麗な姿の裏にはたゆまぬ努力が隠されていた。
「ウォーリアーズ」に加入する前、彼は「F.Cハットトリック」というチームに所属していた。当時はブラインドサッカーがあまり認知されておらず、練習にも人が集まらなかった。その中で独自の練習法を身につけた。
「千葉にある盲学校の体育館を借りて、一人でひたすらドリブルの練習をしてたんだよね。体育館だとボールを見失いにくいから」
その練習の成果が、彼の人を魅了するプレーに表れている。練習法は多少違っていても、サッカーが上手くなりたいという姿勢は、ボールが見えようが見えまいが一切関係ないのだ。
(続く)













